少年は畑仕事を手伝い、
兄弟の世話をし、
母に代わり祖母の面倒を見た。


とても疲れていた。


それでも、前のような途方もない疲労感ではなく。


自分は人の役に立てていると、心地よい疲労感だった。


少年はあの少女のことを想った。


森の中にいた、少女のことを。


彼女は美しかった。


容姿も、言葉も、心も。


全てが自分とは対照的だと思った。


全てを否定的に観てしまう自分とは反対で。


彼女は全てに対して前向きだった。