少年は、祖母の看病をしていた。


寝たきりの、祖母の。


祖母は目を覚ましては苦しがる。


だから、看病する側も観ているだけで辛かった。


家族の中で率先して祖母の看病をする者など、1人もいなかった。


自分は楽に生きていたいと、思ったからだ。


しかし、少年は違った。


あの森へ行ってから、少年は変わった。


少しでも祖母の役に立ちたいと、思ったのだ。


自分は生きるのだから。


せめて、死にゆく者を看取ろうと、思い始めた。