精霊のいる森で。

少女はその大切な小瓶を、また来るかも分からない少年に渡した。


これでよかったのだ、と少女は思った。


だって、少女にはもうあの小瓶は必要ない。


少女はもう悲しみと言う物に慣れてしまったのだ。


どう対処すればいいのか、分かってしまったのだ。


自分が悲しい時は、
その悲しみを心の中にとっておく。


そして、頭からはその悲しみを忘れて、
自分の信じるように生きてゆけばいいのだ、と。