精霊のいる森で。

『これは昔村にやってきた旅人がおまえにと渡してくれた蜂蜜
とても綺麗な色だろう?
この小瓶はおまえが好きにしていいよ』


震える字で、そう書かれていた。


祖母は字も書けないほどに、弱っていたはずなのに。


それなのに、私のために手紙を残してくれた...


少女は手紙を手に持ち、もう一度、少しだけ、泣いた。






それ以来、少女の白いワンピースのポケットに入っていた、小瓶と手紙。


それは少女の宝物になっていた。