精霊のいる森で。

少女の住む世界は美しく彩られていた。


祖母は、少女が幼子から少女と呼べるような年齢になった頃辺りから、体が衰えて行った。


終いには寝たきりになり、
家事も畑の仕事も、全て少女がやるようになっていた。


少女は祖母のために家中に花や植物を育てた。


「綺麗だねぇ…。」


祖母は美しく咲く花を見るたび、そう言った。


「大きくなってきたら、水はあげなくてもいいんだよ。」


祖母はやがて大きな木になるだろう植物を見ると、そう言った。