精霊のいる森で。

少女も鹿の背中から降り、少年に聞いた。


「痛いでしょう?」


少年は頷いた。


「そりゃあそうよ。
だって、生きてるんだもの。
生きてるって言うのは、痛いってこと。」


少女は少年の手の傷に触れた。


少年の傷はあとかたもなく消えた。


そして少年の足に触れた。


少年の足から痛みが消えた。


「手を出して?」


少年は少女に言われた通り、手を開いて出した。


少女は少年の手にある物を乗せた。


それは…