精霊のいる森で。

少女は村を歩き続けた。


食べ物を捜して。


だがどこにも食べ物など落ちていなかった。


村の者は、彼女を“可哀想”だとは言ったが、
彼女を助けてはやらなかった。


そう言う意味でも、
彼女は“可哀想な子”と称された。


やがて彼女は疲れてしまった。


少女は村を出た。


少女の住んでいた村は森に囲まれていた。


だから村を出た少女は、
森に辿り着いた。