精霊のいる森で。

「私には、そっちのほうが合っているもの。」


“ただし”


少女が喜んでいた時のことだ。


湖が少女を陸に届けたあと、最後の一言添えた。


“おまえに傷が乗り移ることもある。”


「いいわ、それでも。」


もしそんなことができたら、
それは素晴らしいことじゃない、と少女は思った。


私が、他人の痛みを代わってあげられるなら…


私が痛くても、構わない。


“それと”


少女は次の言葉に耳を傾けた。