精霊のいる森で。

「おまえは村にいた者だろう。
ふざけるのはやめて、村に帰れ。
さもなくば、力づくで持ち帰る。」


「ふざけてなど...」


いないわ、少女が続きを言おうとした時、
長髪が少女の腕に触れた。


少女は掴まれた腕と反対の手で、
長髪の手を払った。


その瞬間、長髪の姿がなくなった。


消えてしまったのだ。


「あっ…。」


帽子と眼帯が、
口を開けて長髪のいた場所を見ている。


少女も驚いていた。