風を切って



え??

あたしなんかしたっけ??


「あんたねぇ!あきら!!」

「は・・・はひ?」

「心配じゃないの!?」

「ほ?なにが??」

「はぁ・・・」

「ん?」

「だーかーらっ」

「うん。」

「亜里沙ってさ。」

「うんうん。」

「いーーっつも」

「ほぉ」

「光のことみてんの!」



・・・・。

ぼっ



「べ・・べべべべべべべ」


「べ?」

「べつに!あいつのことなんてどーでも!!さぁひとっ走り!」


1周200メートルのグランドを猛スピードで走る。


ん?

噂をすれば亜里沙ちゃんだ。

なにかを女子部員に聞いてる。

なんだろ。


・・・え??
亜里沙ちゃん・・泣いてる!!
いじめ!?


「ちょ・・やめな・・・・」


やめなよ!

そういおうとしたら、


「やめろよ。」

・・光だ。

「何があったかしらね―けどさ。集団で攻めるってどうなの?」

女子部員がやバッって顔してる。

亜里沙ちゃんは、光に泣きながらお礼を言ってる。


「あ・・ありがとうございます・・・!!」


ほんと、可愛いなぁ。


「お礼なんていいよ。」

笑いながら亜里沙ちゃんに言う光。

ズキッ


胸に何かが刺さった気がした。


いつも、あの笑顔は私のものだったから・・・・・