風を切って





「まずひと勝負してからな!!!」


「うん!!」

心の中に太陽がでてきた。







~帰り道~

「光!リンゴたべたい!」

「お前それおごれって意味??」

「あたりまえじゃん」

「やーだねっ」

「もう家にこさせない」

「あーおごるおごる」

「よっしゃ!」

「そこの、スーパーで買うか!」

「オーケー!」




うわっ

このりんごおいしそう。

真っ赤。


「光!このリンゴがいい」

「うわ。一番高い奴じゃん」

「いいじゃん」

「嫌だ」

「えー」

「うそうそ。おまえも、リンゴ食べておおきくなれ」

「え」

「横に」

「光のバカ―――!!」

「お―馬鹿でけっこう」







「ほら」

ぽん。

光の投げたリンゴがあたしの手の中におさまる。