風を切って










…久しぶりに・・・・・




晴れた。



でもあたしの心はくもったまんま。
・・・もしかして、ずっとくもったまんまかな。


と。



がっしゃーーーーーーーーーーーーーーん


・・・・え??

なに?


ふと音のした方を見ると・・・・痛そうにしゃがんだ光がいる。

光・・・どうしたの?
嫌な予感が胸をよぎる。





女の子がコーチに何か言ってる。


「先生!男子たちがハードル振りまわして遊んでたら












光君にぶつかったんです!!」





え??

結構深く切ってる。





あんなけがで走れるのかな。



だって・・・だって・・・・

今日は





校内予選当日。

エースはあたしと光、そう約束したのに・・・・・・




「俺、走れます。」





口を開いたのは光。




「だ・・・だめだよ、そんなけがで走れるわけ・・・」


「走れるんだよ。」




・・・・・・え・・・・・・?


光のこと心配したつもりだったのに・・・・

なんだか冷たく言われた気がする。






っていうか・・・・・





この頃光は


















冷たい。






あたしにむける目。
指。
顔。
口。

…言葉。





全て



が。






冷たい。