ついにお別れの時間がやってきた。

「じゃあな。」

彼が降りろうとする。

里香は「今日はありがとう」
と言おうとした。



「里香!」

その時彼はこっちに振り向いた。

「マジ今日はありがとな!」

最高の笑顔でお礼を言い、扉が閉まった。

そのコトバを聞いたとき
里香の心が何かに包まれた感じがした。


そのせいで「ありがとう」が言えなかった。

まさか自分が言おうとしたコトバを
彼に全部言われるとは思っていなかった。

それに…何だろうこの気持ち。
今までにないドキドキが体を通って
伝わってくる。


彼への「ありがとう」は
また別のときに言う事にした。


里香は急いで家に帰った。