『次はXX駅。次はXX駅。』

彼が降りる駅だ。

「あぁ 降りなきゃいけないな。
 じゃあな」

「あ…」

ドアが開くと彼は去ってしまった。
ちゃんとさよならと言えなかった。


それにしても何故彼は
この時間の電車に乗っていたのだろうか?


あと彼は里香のこと知っているのだろうか。
知っていたらいいなぁ。


でも彼と話すことができて
ホントに嬉しい。


(あれ?)

里香は気づく。

急に心臓がドキドキしてきた。
どうしよう。今のせいで
彼がもっと気になってしまった。