あたしはお母さんにとって家族の一員だったのかな。 夜空を見ながらそう思った。 「高秋ってどこにいるんだよ?」 「進二さんが貸してくれてるボロいアパートなんだけど…」 「けど?」 高秋くんの顔は深刻な表情になった。 「最近泥棒みたいなのが入るようになったんだよね…」 「泥棒!?」 「でもお金とか貴重品は盗られてないんだ、皿が割れてたり、ちょっときれいになってたり…」