どこにあるのかどんな所なのか、

実際にあるのかないのか分からない、

不思議な森。

「眠れる森」静かな、静かな、物語。

ゆっくり、ゆっくり、モノガタリがうごきだした。





ゆらゆら、ゆらゆら

気球が青い空に浮かんでいた。

まるで海に浮いた船のようだ。

その気球の色は赤い色。大きな気球ではなかった。

赤い気球はこの場所ではずいぶん目立ってしまっていた。

だがしかし、その気球に目をとめる者は、

いない。

なぜならば、人の住んでいる気配はないからだ。

赤い気球の下には、とても広大で深そうな森が一面に広がっていた。

気球の中には1人の少女が横たわっていた。

少女は気づかない、自分が何処にいるのかを。

気球はゆっくり森に呑まれる。

森は綺麗な青だった。

少女は知らない、何も知らない。

何も・・・・。


そして、

気球は森の中へ・・・



落ちた。