――そして3日目は、遅刻する夢だった。


忙しい時期、残業に加え、朝一から会議の入る日が続く。

これを乗り越えれば一旦は落ち着くと、皆、歯を食いしばって頑張っていた。

そんな中、ふとしたことから梓と深夜まで話しこんで迎えてしまった朝。

時計を見たら、会議が終わっている時間になっていた。

一気に血の気が引くのがわかる。

誠一は、慌てて家を飛び出した。

同僚は、苦笑しているが誠一を見る目は白い。


惨めな気持ちで席に着いた瞬間に目が覚めた。


実際は、いつもより1時間も早い起床だ。

しかし、夢が夢だけに再び寝ようとは思えず、ひどい頭痛とだるさの中で身を起こした。


――夢を代償にした、その現実を目の当たりにしていた。