兄も、負けては居ない。

けれど、お互いは対等だった。

そこで、母親がやってくる。

もう、50歳は超えているのに、その笑顔の力強さだけは変わらない。

40代でも通用しそうな若々しさだった。

――だが、それは決して現実ではないということを誠一は突然悟った。