「……これは、私の意見だけどね」

梓は、身体を丸めながら言った。

「眠りは身体を癒してくれるでしょ。夢は、心を癒すためなんじゃないかって思ってる」

「心を癒す?」

「例えば、嫌な夢を見たときって、心が嫌なことを吐き出したくてそうしてるんだと思う。逆に、いい夢は心がいいことを思い出して癒せるようにっていうものなんじゃないかな、って」

「なるほどな」

「……夢が、心を癒してくれると、いいね」

梓は、目を閉じた。

誠一は、おやすみ、といってその身体を包み込んだ。