ユメクイ

「だけど、親父は死んだ」

大学に入る前だ。

「そして、俺は、家を出た」

夢は、壊れたテープのように幸せな家族しか映さない。

獏が、そこへ残酷に息を吹きかけた。

象のような鼻から、ブオォ、と不快な音が鳴る。

――幸せな家族の映像は崩れ、そこは病室になった。

姉と兄と自分と、母親が、父の死の床を囲む。

幸せな家族の、崩壊。