「一体、何なんだ……」

情けないながらも、止められない疑問。

「獏(バク)、と呼ばれる夢を食べる聖獣です」

フードの男が、丁寧に答えた。

「我の姿をみるとは、なかなか素質のある男ではないか」

と、獏はその奇妙な顔を誠一の夢へと向けた。

「主は、平凡な日々を送っておるようだな」

獏は、淡々と告げた。

「だが、ずっと引っかかる後悔の念が、この夢か」

そこには、繰り返し両親の姿が映し出されていた。