その小袋を弄びながら、誠一はため息をついた。

ラベンダーの香りのする匂い袋――丁寧な刺繍で、動物らしきものが描かれていた。

昨日の夜、素っ裸だったはずの梓がどこからとも無く取り出し、誠一の手に押し付けたものだ。