「そういえば、飲み物買ってこなくちゃ。」
飲み物は重たいから、あっちで買おうと言っていたことを思い出した。
「そっか、誰が買いに行く?」
「私が行ってくるよ!」
里奈の問いに私はすぐさま声をあげると立ち上がる。
「それじゃあ、修君と二人で行って来てもらってもいい?」
と里奈がいらぬアシストをする。
「え、私…「わかったよ。いこ、みっこ。」
戸惑いを見せる私をさえぎるように、修が手を取って歩き出す。
みんなを振り返ってみても、すでにお弁当に視線を移していて、まったく私には気が付いていなかった。
修と二人、てをつなぎながら人込みをかき分けるように歩き出す。
例外なく、やはり、修を振り返りひそひそと頬を染める女の子が何度も私たちのことを振り返っていた。
私は恥ずかしくて、顔も挙げられずに、修に連れられるがまま、
ただひたすらに歩き続けた。

