「何で引っ越すのお!?」


流香が聞いたら…


「いきなりかよ」


「はやくぅー」


「分かったよ。スキな奴がいるとこに引っ越すんだ」


ーー……なんじゃそりゃ。翔平、あなたをスキな子が目の前にいるのに…


「そうなんだ。頑張ってね」


癒亜はいつものように自分の思いを隠し、控えめに言った。


「おい、癒亜。お前は、ちと控えめだしクローズだからそこを直せよ。あと自分の気持ちに嘘をつくな」


翔平もバカだなあ…


癒亜がそんなのスキな人に言われたら困るじゃん。


「ねえ、翔平」


「なに?」


「私、初めて自分の気持ちに正直になっていいかな?」


「おう」


「私は翔平がスキです」


「え…」


「あ、分かってる。振られるのは知ってるよ。だって、遠藤君にはスキな子いるもんね。ホントごめん」


「謝るなよ。俺もスキだし」


「どういう事?」


「スキな子がいるとか嘘。実は、とーちゃんの経営が危ないから、仕事しにいくんだ。」


「そうなの!?」


「おう!まあ、帰ってきたら話しようぜ。つか、二週間で帰ってくるし」


「もお。りょおかい」


「じゃ。みんなもサンキュ」



ああー。癒亜良かったあああ!

ホント、良かった。



私も頑張らなきゃ!


癒亜と翔平は無事カップルになりました。