さっきの優って人…コウ君の友達ってことは私より年上…だよね?そうすると優さんになるのかな?うん……一応その方がいいよね。
「優のやつ、今日はどうしたんだ?いつもはあんなにハッチャケた奴じゃないんだけどな」
「ふ~~~ん」
私は頬杖をつきながらコウ君の話を聞いていた。
「それより、きよ。そろそろ行かなくて平気?仕事だろ?」
その言葉を聞いて私は携帯を開いた。
「あっ!本当だっ。急がなくちゃ」
残っていたりんごジュースをごくごくと喉奥へ流し込むと、カウンターの上にお金を置いた。
「ごちそうさま。じゃあコウ君また来るね!」
「…おう」
私はサングラスを掛けるとドアを開けた。春の気持ちいい風に日が傾いて温度の下がった優しい空気が私を包み込んでいった…
