「あっ、そうだっ!今度コウの家行っていい?」
コウ君は少し考えてから「いいよ」と答えた。
「まぁ来た所で俺もきよも家は別だからいないけどな」
なんて言ってフッと得意げに笑う。
「そんなんじゃねぇよ。久々だし話しでもと思って?確かに姫がいないのは残念だけど、また会えるからね」
私はその言葉に隣へ視線を向ける。
「私はお断りします」
また嫌味言われるなんて絶対に嫌だもん。
「振られたな」
コウ君は鼻で軽く笑う。
「冷たいね~。それより姫は一人暮らしなんだ?」
「えっ?…あっ…はい…」
断定した意見を言われたからついつい返事をしちゃったけど…
「おい、きよ!」
なんて突然声を張り上げるコウ君とニコニコ微笑む優を見ると…
いけないことだったのかな……?
「姫、女の子が一人で暮らしているなんて、簡単に教えちゃ駄目でしょ~」
え?そうなの?
って貴方が聞いてきたんじゃん!
「優!お前な!」
「冗談だって。カッカッすんなよ、シスコンっ♪」
それを聞いたコウ君は眉間にシワを深めた。
「冗談じゃ済まさねーよ?」
コウ君はニッコリと笑うけど……
…目が笑ってないよ…
「うん…コウもご立腹だし、帰るとするよ」
優という人はそう言ってハットを被るとコーヒー代を机に置いた。
「じゃぁ姫、またね」
爽やかな笑顔を向けると彼はドアの向こうへ消えていった。
