「優君、うちの妹を口説くのやめてもらえますか?」
コウ君はコーヒーを置いて言った。
すぐる……?
「君だなんて虫ずが走るような呼び方やめろよ」
「そうだな」
コウ君達は知り合いみたいだけど…誰なんだろう?
「コウ君、誰なの?」
そう言うとコウ君は目を見開いて私を見てきた。
あれ?変なこと言ったかな?
「いやこいつは、俺の高校の時の友達で…それで…」
そこまで言うと優とか言うカンジの悪い人がコウ君の唇に向かって人差し指を当てた。
「えっ?なに?」
私が二人の顔を見ても知らん顔。
もうなんなの?
かなりご機嫌斜めな私はりんごジュースを口にする。
甘酸っぱくて優しい味が口の中いっぱいに広がると徐々に私のイライラとした気持ちを和らげてくれる。
「コウの妹が姫だったなんて知らなかったな~~」
「こうなるの分かっていたんだから言える訳ないだろ」
「うわ~有り得ね~。俺のこと信用してないだろ?」
「当たり前だ」
なんて意味のわからないことを言い合う二人に視線を移しながら膨れっ面で見ていた。
もう!私一人仲間ハズレじゃん。
優って人ば姫゙とか意味不明なこと言っているし。
