こうして長かった打ち合わせは終わった。
早い時間から始めたはずなのに、もう日は沈みかけている。
「お疲れ様でした」
スタッフさんに挨拶をして外に向かう。
「きよ、送っていきましょうか?」
森山さんが車の鍵を顔の横にチラつかせて言った。
「自分で帰れますよ。私電車と歩くの好きなんです」
当たり前の生活…
それは私がもっとも失いたくない価値観。
当たり前だからこそ大切にしなくちゃいけない。
「森山さんいつもありがとうございます。今日もお疲れ様でした」
「お疲れ様です…気を付けて帰ってくださいね」
もう…森山さんってお父さんみたい。
って言ったらきっと怒るだろうな。
