昔は全然考えられなかったけど、だんだん仕事が増えてきて今ではこうやってHEARなんてトップアイドルと話ができる。
そう考えるだけで感慨深くなるなぁ。





でもまだいける。
私はもっと上にいきたい。
もっといろいろな人に出会って、もっといろんな人に私の歌を聴いてもらいたい。









「それではお疲れ様でした」

私は頭を下げる。



「うん、またねぇ。おつかれさま~」

HEARのみんなは笑顔で返してくれて、私にも自然と笑顔が出ていた。






別れを告げてテレビ局を出る。







「もう春も終わりか…」




ぽかぽかとした春は気持ちよくて大好きなんだけど…


その季節が去ると思うと寂しい気持ちになってくる。







「ん~…」


私は最後の春の空気を吸うように伸びをすると家に帰るため駅へ向かった。




明日も仕事だし、帰ったらもう寝よう…。