ハァハァ...


家の近所の公園に着いた時。

少し歩調が早かったからか
2人とも息が上がっていた。

「和...くん。
ありがとう!」


怖かったはずなのに
何も無かったかのように
にっこりと笑う杏佳。


けどその笑顔はやっぱり
少し強張ってて。

小さい頃から見てる俺には
その笑顔が辛い。


「む、むむり、すんな。」


思わずいつものように吃って
かっこよくはなかったが
杏佳はそれでも
十分分かってくれたのか。

「怖、かったよ...」


そう呟きながら飛び付いてきた。