「では、また、後で来ます。今日は、入学式ですので、早く支度なさってください。なんなら、メイドも呼んでおきますから」


彼は慣れた口調で淡々と答える。


私は、小さなこえでいった。


「…書類…おいて行って下さい」


私は渡された書類をベッドの上におくと、外をながめた。


相変わらず、そとの景色は変わっていない。


ノリトは部屋を出ると、目の前にたっていた女性に伝えた。


「お呼びだ。あと10分しかないからな」


「はいはい」


適当に返事をすはるのは、峰岸薫子。


彼女がノックして入ると、ベッドにちょこんと座っている。



「おはよう。ミサカ。」


名前を呼ばれると、ドアに立っている女性を見た。



「おはよう…」


どこか元気のない声で返事をすると、女性は足元に落ちていたくまのぬいぐるみを持って近づく。



「また、考え事?」


彼女が尋ねると、ミサカと呼ばれた少女、神崎ミサカは言った。



「どうして人は、勝ちにこだわるのかな?」