目を覚ませば、いつも孤独の中にいた
私の名前を呼ぶものはいない。
私を知る人もいない。
私は誰で、どこに行くのか?
目を覚ませばいつもと変わらない光景が目にはいる。
窓の外には青い空が広がっていた。
雲がゆっくりと流れていく。
いつまででもこの時間が続けばいいのに
私の切なる願いはこの男のせいでうち砕かれた。
「失礼します」
中に入ってきたのは、キチリと頭髪や服装を整えた、いかにも真面目な生徒会副会長、乃木坂 ノリトがいくつかの書類を脇に挟んでいた。
「おはようございます。朝食は…、そのぶんだと、食べられませんね」
彼はそう言うと、私はくしゃくしゃな髪を直すことなくぼーっとどこかをながめていた。
「大分、お疲れのようですね?」
こくりと頷くと、ノリトは手にしていた書類をあからさまにちらつかせながらいった。