京の夜は静かだった。

壬生浪士組・・・
松平様に忠義を
誓っていて、
京の治安を正そうとする人たちの
集まり・・・

芹沢さん
あなただって、
他のみんなと志は
一緒だったはず。

でも、あなたは
焦りすぎた。急ぎすぎただけ。

目指すものは同じでも
道がみんなと違ってしまった・・・

批判をうける道を行ってしまった。

ただそれだけなのに・・・

ゆらは考えていた。
だから、気づくのにに一瞬ばかり
遅れてしまった。

背後に忍び寄る闇に・・・

ザリッ

「!!」

カキーン

「!?」

ゆらの後ろにいたのは男だった。

(あいつ、どこに行った!?)

男はゆらめがけて
刀を振ったのだが
あたった先に、ゆらは
いなかった。

代わりに、刀に刺さっていたのは
木の棒。

スタン

「っ」

男はゆらの手刀を
くらって意識を失った。

バタッ

男が目を閉じるときに
見えたのは
冷たい瞳のゆらだった。

(こいつ、なにものだ?)