新撰組と少女

そして、ゆらさんが
剣を持っているのに気が付いた

「一君・・・
　ゆらさん、剣をもってるよ・・・」

「ああ」

冷静に返す齋藤

一君は女子が剣を持ってて
何も思わないのかな?

「危ない!!」

妖怪がゆらさんに向かって行った

くそ、ここから出れたら!!

だんだんと結界を叩く。

「総司・・・
　落ち着け。鳳上院は
　陰陽師だ。ほら見てみろ。」

「すごい・・・」

ゆらさんの剣の腕前は本当に
すごかった。
見惚れるくらいに。

最後のゆらさんの
あの儚げな横顔から
目が離せなかった。


ゆらさんが踵を返すと同時に
結界が解けた。

ふと見てみると
ゆらさんはもういなくて。

あの歳で
あんなに剣がうまくて
しかも自分の命かけて戦ってて
それなのにあの子は
あんなにも儚げで美しい。

沖田はゆらの
あの横顔が
頭に焼き付いて
離れなかった。