新撰組と少女

深呼吸を2回くらいやってから
屋敷に入った。

「ゆらちゃん、気持ちの整理はついた?」

コクンと無言でうなずいた。

「ゆらか?・・・」

4代目は横たわっていた。
顔は真っ青で
いたるところに真っ白い
包帯が巻かれていた。

「4代目。なにがあったのですか」

「妖怪の仕業だ」

「・・・」
4代目ともあろう人が妖怪の仕業だけで
こんな状態になるものか?

「ゆら、いいか、よく聞け。
 お前に任務を言い渡す。」

「はい。」

「今、町には夜になると妖怪が出回る。
 それの退治だ。」

「はい。」

「ワシ以外にもやられた。
 頼める者はおまえしかいない。
 この任務頼めるか?」

「4代目の仰せのままに・・・」

「この命令は松平公直々の任務だ。
 無理はするな、と言いたいところだが
 何としてでもこの任務やり遂げてくれ。」

「それと・・・
 ゆらよ、妖怪退治の時は
 華桜を使って退治すること。
 いいな?」

「なぜですか?」

「妖怪たちは操られているだけ。
 黒幕が必ずいる。そのものを狙え。

 華桜で斬ってほしいのは
 そのほうが楽だからだ。
 今回の黒幕を倒すのも
 きっと華桜でしか倒せないだろう。」

「その黒幕というのは?」

「定かではないが・・・
 長州浪士蔵本 恭治(クラモト キョウジ)
 の可能性が高い。」

「!!
 その名前は・・・」