私は浅野先生にも反発を繰り返し、入院することになった。


人はいつか裏切るはず、私を投げ出すはずだと思っていれば、本当にそうなっても大丈夫。


痛みも半減する。


そんな殻に閉じこもるような私に先生は言った。


「私はハルカちゃんを絶対に諦めません。先生しつこいから、ずっと諦めませんよ」


普段あまり表情を出さない先生が、ニッコリ笑った。


その瞬間何かが弾けて、私は声を出して泣いていた。


勝手に大粒の涙がボロボロ落ち、耳が熱くなって呼吸が早まる。


例えられないくらいの憤りが、一気に溢れ出し抑えられない。


「ウソつき!先生だって、先生だって、私なんか……!」


「本当はっ、めんどくさくて邪魔なくせにっ……っ!」


ワンワン泣いて言葉にならない何かを叫んだ。


嘘だと思う気持ちと信じたいという気持ちが交錯して、息苦しさの中で無意識に私の口から出た言葉は――。