今は月一で通っているメンタルクリニックに、時間すれすれで到着。


浅野先生には付き合い始めた頃に自慢したくて、少しだけ悠斗のことを話している。


昨日のことばかり考えながら、重い気持ちで受け付け近くのソファーに座る。


「高崎ハルカさーん、どうぞー」


診察室の中にいる看護師から呼ばれる。


他の人から見るとまるでふて腐れてるような態度の私は、ゆっくりと中に入った。


「ハルカちゃん、こんにちは」


浅野先生のいつもの笑顔が、今まで全く動かなかった私の心を少し揺さぶった。


なにも言えずに椅子にストンと座って、言葉の代わりに涙がこぼれ落ちる。