結局、家の前まで送ってもらうことになった。


「今日は本当にごちそうさま。寒いのにわざわざありがとね」


「こっちこそありがとな。またメールするよ。んじゃな」


軽く手を振って悠斗の背中が小さくなるまで見送る。


なんだかさっぱり現実味のない気持ちで、家の玄関を開けた。




「ただいまー」


「あら、お帰り」


洗い物をしていた母がキッチンから顔を出す。


「あら?ニコニコして楽しかったみたいね」


「あー、うん、まぁね」


(おっと、無意識に顔が緩んでるみたい)


「なにか飲む?」


「いらなーい」


(それどころじゃないもーん♪)