どうしていいかわからないみたいに言葉少なげな二人。


母が思い出したように口を開く。


「浅野先生がもう少しで退院できるって。あなたが変わってきてるって話してたわ」


「そうなんだ。…私、変わってきたのかな」


独り言みたいに呟く。


(…退院か)


少しだけ違う毎日がやってきそうな予感。


数カ月後にある18の誕生日を節目にできるように、まだ小さな心の中のダイヤを成長させたい。


私はやっと前を向き、自分の力で歩き出した。