私の様子から病院へ行くのを諦めて、手首を消毒し包帯を巻いてくれる母。


傷口は深くはなく応急処置で問題はないけど、それよりも手首を切ったことがショックなよう。


「どうして、こんなバカなことしたの?」


「………」


押し黙る私。


「死にたかったの?」


(…死にたい、とは思わなかった…)


私は黙ったまま小さく首を横に振った。


母は深いため息をつく。


「次なにかしたら浅野先生の所へ連れて行くわよ。いいわね?」


まだ少しボーッとしたままコクリと頷く。


母が部屋から出て行ったあと、私はフラつきながらベッドに潜り込んだ。