「特にないけど、明日出かけるからお小遣いちょーだい」


「最近よく出かけるわね?お友達?」


「まぁね」


母に悠斗のことは言ってない。


以前付き合ってた彼氏を母が見かけた時、あの蔑むような目で私を見たことがあった。


異性と付き合う私はそんなに汚いんだろうかって悩んだけど、反抗の一つみたいにやめようとはしなかった。


「それじゃ、はい。お誕生日おめでとう」


財布からスッと一万円を出して私に渡す。


「ありがとう」


(きっと友達じゃないって思ってるだろうな)