あのストラップの日から、2ヶ月ほどが経った6月のある日。


季節は少しずつ夏に近付いていた。


明日は私の17才の誕生日で、前から悠斗が休みを取ってくれている。


早く明日にならないかとウキウキしながら着て行く服を選んでいる私。


「ハルカー、晩ご飯できたわよー」


階段の下から母の呼ぶ声が聞こえた。


「はーい」


いったん手を置いてはやる気持ちを抑えながら下りていく。


キッチンには、仕事から帰って慌ただしく夕食の用意をする母の姿が。


「お父さん、また出張?」


しばらく父の姿を見ていない。