DIA-ダイヤ-

今すぐにでもこの場から逃げ出したい衝動に駆られる。


出口は、すぐそこ。


まばらな他の客が私達の声を聞いてこっちを見ても、もうどうだっていい。


私は迷わず出口に走り出した。


(こんな私なんか、放っておけば!?)


「ハルカ!」


悠斗が追ってくる。


私は構わず重い扉をこじ開けて外に飛び出した。


目の前は広い駐車場。


「嫌だ、悠斗もこんな自分も…!」


なにもかもから逃げ出したい。


走る私の腕を力強くなにかが押さえる。