「ねぇ、先生。私達ってもう4年の付き合いだね」


ちょっと困った顔で先生は少し笑う。


「16才の私って、今考えるとどうだった?」


「そうですね…、ヤンチャ、だったかな?」


何かを書きながら一瞬遠くを見たけど、ほんとにほんの一瞬だった。


(先生って真面目そうで、少し神経質そうで、男としての魅力には欠けちゃうなぁ。顔は悪くないんだけど基本的に暗いよね)


なんて考えながら、先生の顔をじっと見つめてみる。


………全く気づかない。


「ねぇ先生、私まだ病気なのかな」


私は先生の手を止めたくて、わざとそんなことを聞いてみた。