愛理の口元が奇怪に緩んで触角が智喜に触れようとしたときーーー


ふわっと後ろからだれかに私を抱きしめられた。



抱きしめられた右手の甲から愛理と同じようなーーーが現れ、愛理の身体を優しく包み込む。




その瞬間、暗闇の中にいた愛理に光が差していく。



「愛理、………大丈夫。ーーーーー君の闇は僕が全て消してあげる。」



『ラファエルか……。お前は!ーーー主から離れろ』


必死のミカエルの抵抗も惜しく陸の声が愛理の意識に届いた。



「………っ王子様?!!……申し…訳あり……ませ…」


いったん愛理は陸の腕から抜け出すがよろけて倒れる。