「…ゴクッ…」



ここに居なければ、もうある意味縁がなかった、諦めろってことかもしれない



私はその扉を開けて静かに体を滑りこませた



何も考えるな


突き進め



南向きのこの部屋は、太陽さえ昇っていれば昼間はとても暖かい



案の定、外の寒さとは裏腹に中はポカポカと暖かかった



私はいつも斗真くんと向かい合って座っていた、あの場所まで足を進める



斗真くんの指定席



窓際の低い本棚まで



そしてその場所を確認してひそかに笑みが溢れた






「やっと見つけた…」