しばらくして、お目当ての人が少し向こうからやって来るのが見えた



なんだか少し会わなかっただけなのに、すごく懐かしいような不思議な気持ちになる



それだけ私達は一緒にいることが多かった



いや、ずっと一緒にいてくれたんだ



近くにいる女の子たちがチラチラと話しかけたそうに見ていることに気づかない



そんな少し鈍感でボーッとしたところは相変わらずで、欠伸をしながら近づいてくる



そして私の立っている手前で突然立ち止まる



顔を真っ直ぐこちらに向けて、ひどく驚いているように見えた



「菜々子…」



そう呼ばれて私は最高の笑顔で答える



「浬世也おはよ!一緒に学校行こ!」