「菜々のマフラー新しいの買ったの?」


「あ、うん…いいでしょ?」


「え〜あたしはあの真っ赤なマフラーも好きだったなぁ〜」



斗真くんに助けてもらった時に付けていたマフラー


あれから使わずにタンスの中にしまっていた


それはただ単に願掛けのようなもの


またいつかあの真っ赤なマフラーをするのは斗真くんの隣に並んだ時


そんな気持ちを込めてあの日タンスの中に閉まったんだ


でも今は違う意味で取り出せずにいる



「髪型もさ、最近下ろしたまんまでしょ?1年の時はもっと毎日クルクル髪型、変わってたのに〜」


「そう言えばそうだね」


「私はアレンジ全然似合わないから菜々見てると毎日うらやましかった〜」



そうだね


髪型ぐらいは昔に戻ってもいいかもしれない


最近はなんだか無気力になっちゃって手抜きだったから


「よし!明日からまた始めるか!」


「お!そうこなくちゃ!」


いつまでも落ち込んでる訳にはいかない



さあ、新しい自分を始めよう



そうしているうちに、いつかまた新しい恋が出来るはず