ドキンッ━━……‥



ぶつかった相手を見て、やっぱりまだ心臓は跳ね上がるけれど



何もないような顔をしてなんとかやり過ごしている



斗真くんとは同じクラスだから時々こういうことも有る



斗真くんがジッと私を見ている視線を払い除けて、優ちゃんの後を急ぐのだった



「今、工藤とぶつかった?」


「え!?」



動揺がそのまま顔に出てしまうのが私の悪いクセ



「そんなに無理して忘れようとしなくていいと思うよ?」


「うん…」


そうだけど…


こうでもしないと一生忘れられない気がするから