真っ赤な目をして玄関を出たら、その日も浬世也がやっぱり外で待っていて



息吹かしそうに私の顔を覗きこんでいた



斗真くんのことを考えたら涙が出るようになったのはいつからだろう



前は笑顔しかでなかったのに



欲張りな自分が嫌になる



理世也の隣に並んで精一杯笑顔を振り撒いてるつもりでも



考えることはひとつだけ



学校に近づいて校門をくぐっても相変わらず



教室に入って無意識に斗真くんの姿を探している自分に苦笑する



まだ来てないのか…



ほっとしたような残念なような複雑な気持ち



いつまで続けるんだろう






でも斗真くんはホームルームを過ぎても現れる気配がなかった



「工藤、今日は休みかな?」


優ちゃんがそう言って私の真っ赤な目を覗き込む



私はそれに曖昧な笑顔で返したけど上手く笑えていなかったのか、優ちゃんが悲しそうな顔をする



「菜々…」


「ん?」